平屋といえば、昔ながらの日本家屋だと思っている人はいませんか。そのイメージはもう過去のもの。平屋は今や、おしゃれで洗練された建物も多く、幅広い世代の方に好まれている住宅です。決して一過性のブームに終わることなく、根強い人気を保ち続けている平屋の魅力について考えていきます。
平屋が選ばれる理由
家づくりを考えた時、新しい暮らしに平屋を選択する人が、ここ数年増えているようです。もともと、バリアフリーで安心して老後を過ごしたいと考えている方にとって、平屋は「終のすみか」としての人気がありました。ところが最近は、子育て世代のご家族からも人気が集まっています。それは、生活動線や家事動線がシンプルで、ほぼワンフロアで暮らせること、家事をしながら子どもの様子に目が届きやすいなど、家族とのコミュニケーションが取りやすく、家事や子育てのしやすい環境が魅力のようです。
もうひとつ平屋を選ぶ理由として、将来を長い目で見据えた時に「2階は必要ないのでは？」という考え。歳を取ると階段の上り下りが困難になって2階へ行かなくなり、子ども部屋はいつの間にか物置状態になる例も多く、「実家へ行ったら2階がデッドスペースになっていた」という声も耳にします。平屋であれば、子どもが独立して家族構成に変化があったとしても、今まで慣れ親しんだ生活動線はそののままで、子ども部屋を書斎や趣味部屋にしてみたり、収納スペースに利用したり、空間を有効活用できる点も平屋が選ばれる理由でしょう。
おしゃれで暮らしやすい平屋の間取り
平屋住宅には2階がないため構造上の制約が少なくなり、そのぶん設計の自由度が高くなります。それが快適さや暮らしやすさにもおおいに関わっています。一般的なI字型の間取り以外に、L字型やコの字型、ロの字型といった間取りを取り入れやすく、庭との距離も近くなり、内と外がひとつながりになった生活を送ることができます。天井を高くして勾配をつけたり、間口を大きく取ることも、LDKを広くすることも可能です。
ウッドデッキで内と外をつなぐL字型
ウッドデッキのある平屋は人気のスタイル。L字型の間取りにすることで、リビングの大きな掃き出し窓からウッドデッキがつながり、その先の庭との一体感が生まれます。内と外を自由に行き来できて庭や自然が身近に感じられます。
プライバシーと採光を両立するコの字型
中庭が一面だけ外に開くコの字型。プライバシーを守りながら中庭から採光を取り込むことができ、くつろぎの空間が生まれます。外に面する部屋が多くなるため、日当たりを確保しやすく、また実際の面積よりも広く感じやすくなることが特徴です。
家の中心に中庭を置いたロの字型で開放的に
庭を四方から取り囲むように建てるロの字型の平屋。屋外からの目線が気にならず、プライバシーがしっかり守られる間取りです。家の中央に中庭を配置して、ぐるりと回遊できる動線がつくれます。家の中心から採光や通風が得られ、閉塞感がなくなるのもうれしいポイントです。
一体感のある間取りが得意なI字型
I字型は最もスタンダードな長方形の平屋のこと。構造がシンプルで自由な間取りを設計できます。家族の暮らしに合わせて変化をつけやすく、壁を極力少なくしたワンルーム感覚の開放的な空間や、廊下のないシンプルな間取りは、老後を意識した家づくりとしても効果的です。
平屋プラスαで空間に変化
子育て世代に人気なのが平屋プラスαの間取り。空間の一部にスキップフロアを取り入れて、高さを変化させるのもお勧めです。階段を数段上った場所にカウンターを設ければ、家族が共有できる場所に。少し高さが変わっただけでも目線が変化して、趣味や勉強など活用の幅が広がります。このほかリビングにロフトを設ければ、収納はもちろん、多目的な利用が期待できます。
平屋にビルトインガレージを
敷地面積に余裕があれば、ビルトインガレージのある平屋を建てることもできます。生活空間が圧迫されるという心配もありますが、ガレージを部屋として活用することで車好き、バイク好きの方にとって魅力的なライフスタイルを送ることができます。なにより防犯面や生活動線の快適さも魅力です。
いかがでしたか？
家族構成や住む人のライフスタイルに合わせて、間取りを柔軟に変化させることができ、デザイン性の高い家を建てられる平屋。その特徴を理解することで、末長く快適に暮らし続けることができます。
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